Text by 中野誠志
こちらは水中撮影における基本用語集のページです。
水中写真の世界では陸上写真の世界にプラスして、専門的な概念や要素が入ってきます。ここではそうした内容をまとめています。
手早く目的の情報をお求めの場合、ホームページ内検索をご利用下さい。
【あ】
<Iso感度(アイエスオーまたはイソ)>
カメラセンサーの受光素子を設定するための数字。
通常は一番美しく写真が撮れる100~200に設定しているが、必要があれば通常で3200,場合によっては6400まで私は使用します。
条件が許す限りなるべくIso100~200に近い、小さい数字を選ぶと良いです。
<青抜き>
カメラの露出計で被写体背後の水を測光し、プラスマイナス1前後の状態で、被写体はストロボや水中ライトで明るくし、背景に壁では無く水を持ってくると青抜きになります。
背景の水の色は明るさと比例するので、好みの明るさになるように調整しましょう。
詳細は水中撮影テクニックの項目の青抜きを御覧下さい。
<アクリルポート>
主にドームポートに採用されている。
ガラスポートと異なり、擦り傷に弱いが価格がガラスポートの半額ほどと安い。
また、マルチコート加工がされてないのでフレアやゴーストにも弱いが、単純な光透過率ではガラスを上回る。(ガラス90程度・アクリル93程度)
使い方としては、あまりにもフレアやゴーストが起きるようなシビアな逆光方向以外での撮影が向いている。
ナショナルジオグラフィック誌などで、世界的に有名な水中写真家のデビッド・デュビレ氏がアクリルポートを愛用したのは業界では有名なお話。
<adobeRGB(アドビアールジービー)>
1998年にアドビ社が開発した色空間。通常のディスプレイでは表現できない青~シアン領域の幅広い色合いの表現が特徴。
大は小を兼ねるということで、sRGB色空間で記録するよりも幅広い色合いを記録できるのでお勧めだが、そのままでは大部分の人たちが使用している普通の安価なモニターで見たときに、色が浅く表現されてしまうというデメリットもある。
【い】
<EXIF(イグジフ)>
画像に添付された日時や場所、使用カメラ、レンズなどのメタデータ情報。
<Iso感度(アイエスオーまたはイソ)>
あ行を参照
<色温度>
光の色合いの指標。単位はケルビン。
撮影時は通常はオートか、ストロボ光を優先するならストロボの色温度に合わせて設定。
※例:INONのストロボは5500ケルビン。
現像時に数字を4000~ケルビンぐらいに設定すれば海の色が青くなり、
緑色にするなら6000~ケルビンぐらいで。
<色空間>
カメラのメニュー設定でadobeRGBとsRGBを選択可。
印刷を優先する人はadobeRGBを、ネットでの発表を優先する人はsRGBを選ぶと良いでしょう。ほとんどのモニターはsRGB色空間の範囲しか表示できないことを考慮してください。
<色収差>
光がレンズを通過すると、色ごとに屈折率が異なるので結像点の色がずれる現象を色収差といいます。
高分散ガラス、低分散ガラス(SLD)、特殊低分散ガラス(ELD)、蛍石レンズ、などを複数使用することで色のずれを補正します。
一般的に高額なレンズほど色収差が少なく、開放絞りや広角レンズのレンズ周辺のエリアで目立ちます。
【え】
<円周魚眼レンズ>
黒いカンバスにビー玉のような円形の画像が記録され、独特の写真表現が可能となるレンズ。
Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMや、
SIGMA 単焦点魚眼レンズ 8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYEなどが該当する。
【お】
<オートフォーカス>
デジタルカメラの恩恵はいくつもあるが、オートフォーカスもその1つ。
フィルム時代には考えられなかったスピードでのフォーカシングが可能になっています。
オートフォーカスの性能はレンズの持つ性能と、カメラの持つ性能に左右されます。オートフォーカスを重視するならフォーカス性能の良いレンズとカメラを選ぶべきです。
撮影に当たっての心構えやヒントはこちら。
より詳細なテクニックや理論などは、こちらの水中撮影テクニックをどうぞ。
Text by 中野誠志